講座内容
【案内人】 ■浅見彰宏さん(ひぐらし農園) 1969年千葉県生まれ。4年間のサラリーマン生活、霜里農場で農業研修を経て、1996年に福島県喜多方市山都町に移住し有機農業を始める。 福島県の農業は震災、さらに原発事故によって大きなダメージを受けました。いま福島は復興に向けこの状況を乗り越えようとしています。しかし今までの価値観、技術は残念ながら通用しません。震災は経済成長 やグローバル化という名目で隠し続けてきた社会の矛盾をあらわにしたのです。もはやこれは日本全体の問題です。一方でこの震災がきっかけとなって、目指すべき新たな形も見えてきました。 本当の豊かさとは、自然と共に生きるとはどういうことなのか。人間が疎外されない仕組みとは何なのか。そのヒントは農業に、自然に根差した暮らしにあります。ダメージを受けてしまったからこそ福島から発信していく。多くの人に見てもらう。一緒に未来を考えていく。このツアーがそんな機会になることを願っています。 ◆参考HP:「ひぐらし農園のその日暮らし通信」 【訪問先について】 福島県喜多方市山都町本木、および早稲谷地区は、町の中心部から北に位置する併せて100軒足らずの小さな集落です。周囲は飯豊山前衛の山々に囲まれ、濃緑の森の中に民家や田畑が点在する静かな山村です。 Iターン、Uターンで有機農業、自然農に取り組む若者や移住者も多く、夏にはファーマーズマーケット「百姓市」が開催され、地域に根差したコミュニティが生まれています。 【本木上堰について】 本木上堰は江戸時代中期に12年の歳月をかけて造られた素掘りの水路で、飯豊山麓の早稲谷川から取水し、全長は6キロにもおよびます。この水路があるため、本木・早稲谷地区では棚田が広がり、周辺の森と相まって美しい田園風景が広がっています。しかし、農業後継者不足や高齢化の波が押し寄せ、人海戦術に頼らざるを得ないこの山間の水路の維持が困難な状況となってきています。水路を守ろうと、浅見さんたちをはじめとした地元の方々は「本木・早稲谷 堰(せき)と里山を守る会」を設立、毎年、春には地元の方々と全国から集まるボランティアの方々が力を合わせ堰を清掃し、水路の保全活動を続けています。水路が放棄された時、両地区のほとんどの田んぼは耕作不可能となり、美しい風景も失われてしまいます。風景を守り続けるため、堰さらいのお手伝いにぜひご参加ください! |
【スケジュール】 ・2012年5月3日(木) 15:05 JR磐越西線山都駅集合。 早稲谷へ移動。 地元のみなさん、他の堰さらいボランティアに参加されるみなさんとの前夜祭に参加。 ・2012年5月4日(金) 早朝より本木上堰の堰さらい作業に参加(昼休みをはさみ夕刻まで)。 夕刻より地元のみなさん、ボランティア参加のみなさんと交流会に参加。 ・2012年5月5日(土) 午前中は本木上堰の自然散策ツアー。 山都駅周辺で昼食(別料金)の後、3日間のシェアリングと浅見さんのお話を伺う。 15:30 JR磐越西線山都駅にて解散 【持ち物】 ・堰さらいに必要な作業着(汚れても良い服装)、軍手、長靴、雨具。 ・2泊3日分の洗面用具、着替えなど。 ・寝袋。お持ちでない方は事前にお申し出ください。 【注意点】 ・1日目、2日目のプログラムは、「本木・早稲谷 堰と里山を守る会」やその他のボランティア参加者の方と一緒になります。 ・食事は基本的に自炊です(食材は用意していただきます)。2日目の昼食、夕食は用意していただきます。 ・宿泊場所は本木または早稲谷地区の集会所を予定しています。 ・堰さらいの作業は、水路に溜まった土砂や落ち葉をさらったり、雪崩などによって抜けてしまった個所の修復などです。 |