講師とともに、一冊の本をじっくりと読み込むクラスです。ことばの一つ一つの解釈やそこに込められた作者の思想を読み解きながら、講師と受講生で内容について議論を深めていきます。
今年は、汪暉(Wang Hui)の「革命の終わりー中国と近代の限界」(“The End of the Revolution―China and the Limits of Modernity”)を読みます。
今年は中国の第一線の近代思想史家、評論家として知られる汪暉(Wang Hui)の評論集、“The end of the Revolution―China and the Limits of Modernity” を読んでみます。汪暉は日本でも世界でも最もよく知られた中国の批判的知識人の一人。1989年天安門民主化デモを主導した改革思想が結局アメリカに回収される近代主義であった苦い教訓を噛みしめて、学問世界に戻った一群の知識人の一人でした。図書館に戻った汪暉は、中国思想史にとりくみ、その成果が大著『中国現代思想的興起』に結実しましたが、彼は「象牙の塔」に籠らず、夥しい評論や編集活動をつうじて、今日のネオリベラル資本主義に対決する立場からの中国近代=中国革命の批判的総括へと歩みを進めました。この本は2009年発行、「非政治化された政治―東から西へ」、「1989年と中国におけるネオリベラリズムのルーツ」など3編7論文からなる論文集。中国がもっぱら、台頭する軍事的脅威として演出されている現在、汪暉の洞察と分析によって中国の別の姿を浮かび上がらせたいと思います。
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