講座内容
◆5/23(木) ★民主主義への挑戦は始まっている―アメリカの「凋落」、動きだす人びとのグローバリゼーション ■西谷 修(東京外国語大学大学院 教授) イラク戦争から10年。米国の軍事・経済的なプレゼンスは当時よりも落ちたといわれます。この間に世界では新自由主義がさらに深化し、それに伴う貧困や格差に対し、また経済の前に無力な政治に対し、人びとは強く抵抗をしています。これらの抵抗運動を覇権国家・米国の動きを座標軸にしながらお話しいただきます。 ●主著:『〈テロル〉との戦争―9.11以後の世界』以文社 2006/『“経済”を審問する―人間社会は“経済的”なのか? 』せりか書房 2011 ●参考文献:中西新太郎『格差社会とたたかう 〈努力・チャンス・自立〉論批判』(共著)青木書店 2007/中西新太郎『キーワードで読む現代日本社会』(共編著)旬報社 2012 |
◆6/13(木) ★資本主義の「終わりの始まり」― ギリシャ、イタリアで起きていること ■講師交渉中 EU金融危機は、単なる財政破たん問題ではなく、資本主義 そのものの危機といえます。財政赤字、雇用の悪化、底な しの政治不信は、私たちの社会とも共通する状況であり、 これに対するギリシャやスペインでの大規模なデモや抗議 行動は、成長至上主義へのNO!の声です。また注目される イタリアの「5つ星党」の動きも民主主義への大きな実験。 南欧の運動から学びます。 |
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◆7/12(金) ★スペイン15M:「怒れる者たち」が創る市民運動 ■工藤律子(ジャーナリスト) 経済危機を背景に生まれた「15M(5月15日)」運動。それは、ソーシャルネットワークはもちろん、広場で出会った仲間、地域の隣人同士の新たなつながりを通しして、市民が日常から社会を変えていく試みだ。そこに真に民主的な未来へのヒントを探そう。 ●主著:『ドン・キホーテの世界をゆく』 論創社 2009/『フィリピン・私の家族は国家に殺された ―家族を奪われた女性たちの戦い』 長崎出版 2010 ●参考文献:工藤律子「スペイン・『怒れる者たち』が創る市民運動」『世界』2012年8月号 岩波書店/ステファン・エセル『怒れ!憤れ!』 日系BP社 2011 |
◆8/8(木) ★中国 持たざる者たちの反乱と政治権力の関係―東アジアという場を視座に ■丸川哲史(明治大学政経学部 教授) 中国での民衆のデモ行動は、日本とはかなり違ったものです。それはやはり、政治システムの違いとも関係があるわけです。むしろ中国の方が政治権力に「反映」される可能性が高いことを踏まえねばならないように思います。 ●主著:『方法としての現代中国』 平凡社 近刊/銭理群『毛沢東と中国 ある知識人による中華人民共和国史(上/下)』(共訳)青土社 2012 |
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◆9/12(木) ★反グローバリズム運動の震源・ラテンアメリカでいま起こっていること ■太田昌国(現代企画室/民族問題研究) グローバリズムの荒波による社会的・経済的撹乱を、世界に先駆けて1970年代から経験したからこそ、ラテンアメリカはいま、反グローバリズムの先頭に立つ。その歴史的意味を語り合いたい。 ●主著:『テレビに映らない世界を知る方法』 現代書館 2013/『新たなグローバリゼーションの時代を生きて』 河合文化教育研究所 2011 ●参考文献:佐野誠『99%のための経済学:教養編』 新評論 2012/マルコス『ここは世界の片隅なのか』 現代企画室 2002 |
◆10/3(木) ★生存をかけた抵抗は続く―アラブ世界の叛乱に私たちはどう向き合うか ■ 田原 牧(東京新聞) 正直に言えば、私は「よりよい未来」なんて信じていない。きっと人類というのはかなり下等な動物で、21世紀にもなったのに自らの寝床を破壊(原発事故)し、共食い(戦争)も辞さない。けれど、先のことはともあれ、いまこの瞬間に自分の尊厳を保とうとする人たちはいる。それはエジプトにも、この国にもいる。生きている間くらい、そうした人たちと気持ちよく過ごしたい。そうした出会いを求めて、お話しさせていただく。 ●主著:「中東民衆革命の真実 ─エジプト現地レポート」 集英社新書 2011/「ほっとけよ。―自己決定が世界を変える」 ユビキタスタジオ 2006 ●参考文献:田原牧「不逞の行進を続ける 生存の前提としての異議申し立て」『世界』別冊841号 岩波書店 2013 |
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◆10/24(木) ★映像・文化をつうじて学ぶアフリカ 人びとの運動 ■津山直子(NPO法人アフリカ日本協議会理事/関西大学客員教授) アフリカの人びとによる運動、私たちと共通する課題、理解・連帯・協働していくこと、などを映像を交えながら一緒に考えていきたいと思います。 ●主著:『ここが間違っている! 日本の農業問題 農業・食料・TPPの“真”常識』(共著)家の光協会 2013/『よくわかるTPP48のまちがい』(共著)農文協 2012 ※「10.アフリカとわたしたち」クラスと合同 |
◆11/21(木) ★お任せ民主主義から参加型民主主義へ―日本の課題 ■湯浅 誠(社会運動家) 「海外は運動が活発でいいな~」では何も変わらない。だからといっていきなりドデカイことができるわけではない。諦めでも夢想でもなく、私たちは「私たちの条件」から出発するしかない。では何を?ではどうやって?そんなことをご一緒に考えられればと思います。 ●主著:『ヒーローを待っていても世界は変わらない』 朝日新聞出版 2012/『反貧困』 岩波新書 2008 ●参考文献:薬師院仁志『民主主義という錯覚』 PHP研究所 2008 |