講座内容
◆6/17(月) ★放射能汚染とわたしたち―まず“ベクレル”と“シーベルト”を理解する ■今中哲二(京都大学原子炉実験所 助教) 放射能汚染への向き合い方を自分で判断するのに必要な基本知識を解説します。 ●主著:『低線量放射線被曝―チェルノブイリから福島へ (叢書 震災と社会)』 岩波書店 2012/『Silent War 見えない放射能とたたかう』 講談社 2012 |
◆7/1(月) ★放射能汚染問題から食と暮らしの再生を ■小山良太(福島大学経済経営学類 准教授/うくつしまふくしま未来支援センター産業復興部門長) 風評被害という用語は誤りである。原発事故の影響で放射性物質が拡散した地域は福島県に限らない。政府による詳細な放射能汚染マップの作成と検査態勢の体系化が必要だ。 ●主著:『東日本大震災復興に果たすJAの役割』社団法人家の光協会 2012/『復興の息吹 人間の復興・農林漁業の再生』 農山漁村文化協会 2012 ●参考文献:『放射能汚染から食と農の再生を』 家の光協会 2012/『放射能に克つ農の営み ふくしまから希望の復興へ』 コモンズ 2012 |
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◆7/29(月) ★「避難する/しない」は誰がどう決める?-自主避難した母親たちの苦悩と希望 ■中村美紀(山形避難者母の会 代表) 避難区域以外から子どもを連れ、夫を福島に残し母子のみで避難を選択した母親たち。故郷に残る大切な人を想うが故の苦悩と、福島の今を知ってほしい。 |
◆8/29(木) ★「日々の暮らしの中で放射能汚染にどう向き合うのか ■山田真(小児科医) 福島原発事故はとり返しのつかない惨事である。しかし、放射能による健康障害が因果関係を説明しにくいのをいいことに、放射能安全神話が作られ、急速に風化されようとしている。このことにどう接していくのか、考えたい。 ●主著:『地震列島・日本の教訓(NHKテレビテキスト・歴史は眠らない)』 NHK出版 2010/『東日本大震災・原発事故 復興まちづくりに向けて』(共著) 学芸出版社 2011 ●参考文献:室崎益輝「『高台移転』は誤りだ」『世界』2011年8月号 岩波書店/室崎益輝「東日本大震災からの復興についてのメモ」『地震ジャーナル』54号 地震予知総合研究振興会 2012 |
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◆9/20(金) ★食べる・食べないの分断を超えて-福島の農作物汚染と農民たちの現状 ■大江正章(PARC代表理事/コモンズ代表) 「福島の奇跡」ともいわれる米や野菜の現状と、危険かもしれないが故郷にとどまって耕し続ける農民の気持ちを理解しよう。本当に危なくて未来がないのは都市の生活なのでは。 ●主著:『地域の力 食・農・まちづくり』岩波新書 2008/『放射能に克つ農の営み ふくしまから希望の復興へ』(共著)コモンズ 2012 ●参考文献:小出裕章・明峯哲夫ほか『原発事故と農の復興』コモンズ 2013 |
◆10/21(月) ★福島県の漁業・漁業者の「いま」 ■乾政秀(㈱水土舎・最高顧問) 原発事故以来、福島県の沿岸・沖合漁業はほぼ全面的に停止した。放射能が不検出の魚類を対象に一部漁業で試験操業が始まっているが震災前とは程遠い。福島県の漁業の現状を報告する。 ●主著:『漁業・漁村の多面的機能』東京水産振興会 2002/『福島原発事故による海洋汚染と漁業被害』 漁業経済学会 2013 |
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◆11/15(金) ★生産者と消費者の顔の見える関係をどう続けていけるか ■戎谷徹也(大地を守る会 事業戦略部 放射能対策特命担当) あれから2年。私たちはつながりを取り戻せたのか…答えはまだです。それでも「食」はつながりを求め、問いかけてきます。いま一度、“原点からの再出発”を始めよ、と。 ●共著:『放射能に克つ農の営み ふくしまから希望の復興へ』コモンズ 2012/『脱原発の大義―地域破壊の歴史に終止符を』農文協 2012 |
◆12/16(月) ★家庭でできること-放射能排出の食事法 ■境野米子(生活評論家/薬剤師/福島県教育委員会委員長) 昨年の11月、ベラルーシ共和国へ行ってきました。汚染地にある中等学校、森などの線量が低いのに驚きました。まだ高い線量の福島、子どもたちの学習環境、健康、農業など、課題は山積みです。 ●主著:『あの日からのお母さんのしごと』ワニブックス 2012/『子どもを放射能から守るレシピ 77』 コモンズ 2012 ●参考文献:境野米子『病と闘う ジュース』 創森社 2011 |