講座内容
6/6(木) ★オリエンテーション 君は縄文を見たか ■和田晋冶(富士見市立水子貝塚資料館学芸員) 約1万5千年前から1万年間も続い た縄文時代。縄文人はどのような暮らしをしていたのであろうか。狩猟採集に依存した原始人的なイ メージを抱いている人も多いが、実は高い文化を有していたのである。 ●著書:『縄文海進の考古学―早期末葉・埼玉県打越遺跡とその時代 (考古学リーダー 18) 』/(共 著) 六一書房 2010/『縄文中期勝坂式土器の猪装飾』あらかわ第13号 2011 |
◆7/27(土)午後 埼玉県富士見市を訪ねる ★水子貝塚訪問 ―縄文人の息吹を感じよう ■富士見市立水子貝塚公園資料館 国指定史跡水子貝塚公園は、約6000年前の縄文時代前期のムラを再現し、周囲を森で囲まれた園内に は復元住居5棟や資料館などがあります。皆さんのお越しを楽しみにしています。 |
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◆9/7(土)午後 ★ある縄文研究者の死と生 ドキュメンタリ『KOJO』上映とトーク ■岡村 淳(記録映像作家〈在ブラジル〉) 自らの知恵と手足を駆使し、学閥に与せず独自の縄文論を展開した古城泰。40代で怪死した彼の背景 を、ブラジルから日本・カンボジア・フィリピンの現場へと探るドキュメンタリーの鑑賞とトーク。 ●主著:『忘れられない日本人移民 ブラジルに渡った記録映像作家の旅』港の人 2013年4月刊行予定 ●参 考文献:古城泰『型式学的方法の再検討』考古学研究44巻4号(通巻176号)1998 ◎上映作品『KOJO』監督:岡村淳/前編:114分 後篇:91分/2006年 |
◆9/21(土)10時~16時 神奈川県横浜市鶴見区を訪れる ★ようこそ縄文の森・三ツ池 へ 下末吉台地模式地で学ぶ、座学と土器づくり ■金子好伸(縄文学伝道師/縄文人になろう会顧問/国際縄文学協会会員 関東ローム四重層の一つ、粘土質の「下末吉台地」(横浜・山手~溝の口・子母口)模式地は、鶴見 区下末吉の三ツ池公園正門前に位置します。周囲は縄文遺跡群。当時は浮島状態で、海・山の幸に恵 まれていました。隣接の「小仙塚貝塚」に触れ、学び、縄文土器づくりで追体験します。 ●主論文:「下末吉台地と『上台縄文遺跡・貝塚群』」『縄文』18号 国際縄文学協会 2008/「縄文 人の源流と琉球・アイヌ考」『縄文』21号 国際縄文学協会 2009 ●参考文献:「縄文人に学ぶ持続可能な社会」『縄文』24号 国際縄文学協会 2012 |
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◆9/25(水) ★時空をこえる文様芸術 縄文・ケルト・ユーロ=アジア ■鶴岡真弓(多摩美術大学・芸術人類学研究所・所長/芸術学科教授) ユーロ=アジア世界の「東の極み・日本」と「西の極み・ケルト」を横断して、縄文の文様と、そこ に見られる死生観を読み解きます。 ●主著:『ケルト 装飾的思考』ちくま学芸文庫 1993/『すぐわかるヨーロッパの装飾文様 美と象 徴の世界を旅する』東京美術 2013 ●参考文献:鶴岡真弓『図説ケルトの歴史』(共著)河出書房新社 1999/鶴岡真弓『装飾する魂 日本の文様芸術』平凡社 1997/鶴岡真弓『ケルト美術』ちくま学芸文庫 2001/鶴岡真弓『阿修羅のジュエリー』イースト・プレス 2012 |
◆10/5(土)16:00~18:00 ★縄文神話と胎生学…性・死・REBORNの三幅対 ■田中 基(多摩美術大学芸術人類学研究所 特別研究員) 今から5000年前の縄文中期の八ヶ岳山麓に華開いた多様な土器造形群に登場する水棲動物・蛙・虻体 ・猪と女神身体像の構図に、縄文神話の可能性を探る。 ●主著:『縄文のメドゥーサ 土器図像と神話文脈』現代書館 2006 ●参考文献:『古事記』角川ソフィア文庫 2002/三木成夫『胎児の世界 人類の生命記憶』中 公新書 1983 |
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◆10/25(金) ★「縄文土器」の再発見―岡本太郎と縄文的世界 ■北澤憲昭(女子美術大学 教授) 日本的なものを代表―表象する弥生文化に対して、岡本太郎は「縄文文化」を別の伝 統として掲げることで「伝統」概念に揺さぶりをかけた。 ●主著:『眼の神殿 「美術」受容史ノート』ブリュッケ 2010/『岸田 劉生と大正アヴァンギャルド』岩波書店 1993 ●参考文献:岡本太郎『日本の伝統』知恵の森 文庫 2005/北澤憲昭『反復する岡本太郎 あるいは「絵画のテロル」』水声社 2012 |
◆11/7(木) ★縄文の正体に迫る ■小林達雄 縄文人はムラの外に広がるハラから多種多様な食料資源や資材を利用する「縄文施政方針」を旨とし て、自然との共存共生、共感共鳴を全うしながら個性豊かな文化を構築したのである。 ●主著:『縄文人の世界』朝日選書 1996/『縄文人の文化力』新書館 1999 ●参考文献:小林 達雄『縄文の思考』ちくま新書 2008/小林達雄・佐原真『世界史のなかの縄文 対論』新書館 2001 |