講座内容
◆5/30 何が家族? どんな家族?―近代家族の乗り越えと実践 ■千田有紀(武蔵大学社会学部 教授) 日頃慣れ親しんでいる家族は、明治の近代化の過程で、市場や国民国家とともにつくりだされてきたものです。近代家族とは何かについて、一緒に考えてみたいと思います。 ●主著:『女性学/男性学』岩波書店 2009/『日本型近代家族 どこから来てどこへ行くのか』勁草書房 2011 ●参考文献:土屋葉編『これからの家族関係学』角川学芸出版 2003/岩上真珠『ライフコースとジェンダーで読む家族(第3版)』 有斐閣 2013 |
◆6/13 僕の家族と選択―事実婚で子どもの出生届を出したとき ■菅原和之(「婚外子出生登録差別違憲訴訟」当事者/介護福祉士) 相続差別はなくなりましたが、婚外子差別は残っています。「家」制度や優生思想から自由になれる方法を、一緒に模索しましょう。 ●参考資料:ウェブサイト「なくそう婚外子差別 つくれ住民票」で公開している裁判書面など |
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◆6/28(土) 14:00~17:00 産む・産まない・産めない・産め? ―あなたのからだから世界がみえるかも(お茶会) ■大橋由香子(フリーライター/編集者/「SOSHIREN女(わたし)のからだから」メンバー) 誰かと暮らす? 子どもは? 妊娠する・しない、そもそも性交するか等々、極私的な悩みが、国の仕組みや制度とどう関わっているか、堕胎罪や優生保護法を入口に一緒に考えましょう。 ●主著:『満心愛の人 益富鶯子と古謝トヨ子』インパクト出版会 2013/『福島原発事故と女たち 出会いをつなぐ』(共編著)梨の木舎 2012 ●参考文献:大橋由香子『からだの気持ちをきいてみよう 女子高生のための性とからだの本』ユック舎 2001/大橋由香子『記憶のキャッチボール 子育て・介助・仕事をめぐって』(共著)インパクト出版会 2008 |
◆7/16(水) シングルの人類学 ■椎野若菜(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 准教授) 「シングル」がなにかと社会問題化される日本。異文化の事例を知ることで、物事の見方の違い、考え方の転換を促し、フレクシブルな、より生きやすい社会にならないだろうか。 ●編著:『「シングル」で生きるー人類学者のフィールドから』御茶の水書房 2010/『百万人のフィールドワーカーシリーズ フィールドに入る』(椎野若菜・白石壮一郎編)古今書院 2014 ●参考文献:椎野若菜『シングルの人類学1 境界を生きるシングルたち』人文書院 2014/椎野若菜『シングルの人類学2 シングルがつなぐ縁』人文書院 2014 |
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◆8/2(土) 14:00~16:30 東日本大震災で語られなかったこと。 ―セクシュアル・マイノリティ、性同一性障害の当事者が置かれた状況を映像を通して考える ■島田 暁(映像作家/レインボー・アクション 代表) 東日本大震災後、盛んに家族や地域の「絆」の大切さが喧伝されたが、そこから排斥されがちな人への想像力はあっただろうか。性同一性障害の自助団体を取材した映像を観ながら考える。 ◎上映作品『震災から1年 被災地いわきからのメッセージ』 制作:山本蘭(gid.jp) 監督:島田暁 19分/2012年/日本 |
◆9/14(日)~15(月・祝) 1泊2日 合宿 岐阜県郡上市明宝を訪ねる 日本の未来は田舎にある! 移住者という生き方 ■北村 周(こうじびら山の家 代表理事) 都会の若僧が移住を決断した田舎のちいさな地区「畑佐」。地に足をつけた自由な生き方や、本当につながり合った暮らし。あなたの知らなかった生き方がここにもある! |
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◆9/26 「自由に生きる」中での悩みと迷い ―あるアラフォー女性のジレンマ ■海妻径子(ジェンダー研究者/岩手大学人文科学系 准教授) 「ジェンダーに囚われない生き方」を研究するはずの私自身が、育児・介護・仕事で、「理論通りに自由に生きられず」悩んでいます。この悩みの出口を参加者とともに探します。 ●主著:『近代日本の父性論とジェンダー・ポリティクス』作品社 2004/『ジェンダー・フリー・トラブル バッシング現象を検証する』(共著)白澤社 2005 ●参考文献:海妻径子「PTAは女性運動団体か?」『インパクション』171号 インパクト出版会 2009/海妻径子『ゆれる親密圏(仮題)』コモンズ 2014 |
◆10/10 子どもの居場所づくり―フリースペースたまりばと里親型グループホームの実践から ■西野博之(NPO法人フリースペースたまりば 理事長/川崎市子ども夢パーク 所長) 家族の中に安心できる居場所を求めながらも、それがかなわず傷つけあう親子・兄弟・夫婦。家族ってなに? 地域社会で、血縁の絆を越えて育ちあう関係づくりについて考える。 ●主著:『居場所 その遊びと学びと暮らし』NPO法人フリースペースたまりば 2010/『居場所とわたし』NPO法人フリースペースたまりば 2011 |
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◆11/1(土) 14:00~17:30 ★映画『ここにおるんじゃけぇ』を観る 障害、国家の暴力 そしてわたしがわたしである喜び ■瀬山紀子(DPI女性障害者ネットワークメンバー/連連影展FAV〔フェミニスト・アクティブドキュメンタリー・ビデオフェスタ〕メンバー) 障害をもつ一人の女性の生き様を撮った映画を観て、障害や優生保護法のこと、そうした問題について映像表現すること、一人の女性の生き方を、ゆっくり語り合いましょう。 ●主著:『障害を問い直す』 (共著)東洋経済新報社 2011/『障害者介助の現場から考える生活と労働 ささやかな「介助者学」のこころみ』(共編著)明石書店 2013 ●参考文献:海妻径子「PTAは女性運動団体か?」『インパクション』171号 インパクト出版会 2009/海妻径子『ゆれる親密圏(仮題)』コモンズ 2014 ●参考文献:佐々木千津子『ほっとしてほっ』 企画編集室ゆじょんと 2012/優生手術に対する謝罪を求める会編『優生保護法が犯した罪 子どもをもつことを奪われた人々の証言』 現代書館 2003 (10 抵抗と日常―アジア・ドキュメンタリーの世界クラスと合同) ◎上映作品『ここにおるんじゃけぇ』 監督:下之坊修子 97分/2010年/日本 脳性マヒの佐々木千津子さんは、ピンクに染めた髪とジーパン姿で毎日街へ繰り出している。強制不妊手術の後遺症に悩みながらネコとヘルパーと暮らす、涙と笑いの日々。 |
◆11/14 わたしがつくる、わたしの生き方 ■千田有紀(武蔵大学社会学部 教授) 生き方とは、制度に縛られながらもまた、主体的に選択できるものでもあります。グローバル化、新自由主義化の元で、どのようにしなやかにしたたかに生きられるでしょうか。 ●主著:『女性学/男性学』岩波書店 2009/『日本型近代家族 どこから来てどこへ行くのか』勁草書房 2011 ●参考文献:土屋葉編『これからの家族関係学』角川学芸出版 2003/岩上真珠『ライフコースとジェンダーで読む家族(第3版)』 有斐閣 2013 |