講座内容
◆ はじめに:アメリカ社会のいまを知る ―広がる経済格差と民族的・文化的多様性 ■中山俊宏(青山学院大学国際政治経済学部 教授) アメリカ流の「市場万能主義」によって広がる格差や社会の歪みやアメリカの「多様性」をどのように理解すればよいのか、民族、地域、文化などの側面からアメリカ社会のいまの姿を見ていきます。 ●主著:『介入するアメリカ: 理念国家の世界観』勁草書房 2013 / 『アメリカン・イデオロギー: 保守主義運動と政治的分断 』勁草書房 2013 ●参考文献:久保文明、中山俊宏、渡辺将人『オバマ・アメリカ・世界』NTT出版 2012 |
◆6/13 オバマ政権とティーパーティの微妙な関係 ■佐藤 学(沖縄国際大学法学部地域行政学科 教授) 議会多数派の共和党に影響力を示す保守系の市民運動「ティーパーティ」。共和党の抵抗によって、就任時に期待された政策が実現できない、あるいは大幅に妥協をせざるをえないオバマ政権のジレンマについてお話しします。 ●参考文献「自らの『成功』のツケを払わされたオバマ大統領」『世界』2011年1月号 岩波書店 / 「オバマの医療保険制度改革は成功するか?」『世界』2009年11月号 岩波書店 |
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◆7/11 世界を監視するプログラム ―スノーデンの告発が明らかにしたもの ■塚越健司(学習院大学 非常勤講師) 「プライバシーと安全保障」あるいは「自由と秩序」の両立困難性を訴えたスノーデン氏。当日は上記の論点に加え、アメリカ的伝統に根ざしたハッカーの思想からアメリカを検討したい。 ●主著:『ハクティビズムとは何か―ハッカーと社会運動』ソフトバンク新書 2012 / 『日本人が知らないウィキリークス』(共著)洋泉社新書y 2011 ●参考文献:塚越健司『ハクティビズムとは何か―ハッカーと社会運動』ソフトバンク新書 2012 / ジュリアン・アサンジほか著『サイファーパンク―インターネットの自由と未来―』青土社 2013 |
◆7/25 内側から瓦解する米国社会 ―貧困大国のリアル ■堀田佳男(ジャーナリスト) ジャーナリストとして滞米25年の経験をベースに、「アメリカの今」を皆さまにお伝えできればと思います。富めるアメリカがある一方で、貧困が拡大する現実をお伝えいたします。 ●主著:『なぜアメリカ金融エリートの報酬は下がらないのか』プレジデント社 2010 / 『勝てるビジネスのヒント』講談社 2012 |
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◆8~9月で調整中 アメリカが「農産物輸出大国」でなくなる日 ―塩害、水資源枯渇、荒む農地―そのとき日本は? ■山田 優(日本農業新聞 編集委員) 大量生産型農業による土壌破壊や地下水の枯渇の問題、政府からの巨額の補助金によって支えられている持続不可能なアメリカの農業の問題点について検証します。 ●主著:『緊迫アジアの米 相次ぐ輸出規制』筑波書房 2005 / 『これでいいのか食料貧国ニッポン―私たちの安全な食を守るには』家の光協会 2004 |
◆9/19 オバマ政権の東アジア政策と日本の戦争責任問題 ■油井大三郎(東京女子大学現代文化学部 教授) 安倍首相の靖国参拝や、歴史「修正」の動きによってぎくしゃくする日米関係。アメリカの主要メディアも懸念する歴史認識問題と東アジアにおける緊張関係をどのように解きほぐすのか。 ●主著:『好戦の共和国 アメリカ――戦争の記憶をたどる』岩波新書 2008 / 『増補改題 なぜ戦争観は衝突するか―日本とアメリカ』岩波現代文庫 2007 |
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◆10/3 シェールガス革命でアメリカはどう変わるのか ■岩間剛一(和光大学経済経営学部 教授) エネルギーをめぐる新たな覇権争い、日本のエネルギー政策への影響、シェールガス採掘に伴う環境リスクの問題などについて考察します。 ●主著:『「ガソリン」本当の値段 石油高騰から始まる"食の危機" 』アスキー新書 2007 / 『資源開発プロジェクトの経済工学と環境問題―資源開発プロジェクト評価と地球環境問題』とりい書房 2004 |
◆10/17 日米関係に求められる多様な外交チャンネル ■猿田佐世(弁護士/新外交イニシアティブ事務局長) アメリカの外交政策におけるシンクタンクの役割を理解したうえで、日米間の新たな外交的パイプをつくることの重要性について考える。 ●共著:『国際人権法実践ハンドブック』現代人文社 2007 ●参考文献:「『日米関係に新しい外交を』―求められる多様な回路―」『世界』2013年6月号 岩波書店 |
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◆10/31 霞ヶ関はアメリカの亡霊から逃れられるか ■孫崎 享(元外務省国際情報局長) 対米従属的な日本の政策と行政官僚制を転換していくために何が必要か。その戦略についてわかりやすくお話し頂きます。 ●主著:『戦後史の正体:1945-2012』創元社 2012 / 『日本人のための戦略的思考入門―日米同盟を超えて』祥伝社新書 2010 |
◆11/14 抵抗するアメリカの市民社会の姿 ■高須裕彦(一橋大学大学院社会学研究科フェアレイバー研究教育センター プロジェクトディレクター) 課題、問題山積の中で、市民、労働者、マイノリティ、移民たちが、それらに、どう向き合い、いかなる運動を作っているのか、運動上の課題は何か。現地での取材から最新の動きをお伝え頂きます。 ●主著:「ウォール街占拠運動?貧困大国アメリカの新しい社会運動」『労働経済春秋』Vol.7 労働調査会 2012 / 「『抵抗』を掲げるアメリカ労働運動:共和党右派・茶会グループからの攻撃に対して」『現代の理論』27号 『現代の理論』編集委員会 2011 |