講座内容
◆6/3 【はじめに】ワークショップ ―みんなは「オリンピック」についてどう思う? ■大江正章(コモンズ代表/PARC代表理事) パルク作成のビデオ『検証!オリンピック~華やかな舞台の裏で~』を見たうえで、商業化する五輪、湾岸開発や立ち退き問題、ナショナリズム(国威発揚)、本来のスポーツのあり方について、意見を出し合います。 |
◆6/24 メガイベントと跡地利用―先端技術の未来都市か? 開発優先によるディストピアか ■町村敬志(一橋大学大学院社会学研究科 教授) なぜオリンピックは臨海部で開催されるのか。既存インフラの大幅改修で、東京は理想的な未来都市へと変貌を遂げるのか。オリンピックに伴う大規模開発によって世界の都市はどう改造され、どのような弊害が起きたのかについて検証する。 ●主著:『「世界都市」東京の構造転換』東京大学出版会 1994 / 『開発主義の構造と心性――戦後日本がダムでみた夢と現実』御茶の水書房 2011 ●参考文献:石坂友司・松林秀樹編著『<オリンピックの遺産>の社会学 長野オリンピックとその後の十年』青弓社 2013 / 平本一雄『臨海部副都心物語 お台場をめぐる政治経済力学』中公新書 2000 |
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◆7/15 世界の都市は、なぜオリンピックを招致しようとするのか ■清水 諭(筑波大学体育系 教授) 世界の人々が注目せざるを得ないオリンピックは、政治と切り離して考えることはできない。招致活動から開催のプロセスに誰がどのように関わり、誰が排除されているのか考える。 ●主著:『オリンピック・スタディーズ:複数の経験・複数の政治』(編著)せりか書房 2004 / 『甲子園野球のアルケオロジー:スポーツの「物語」・メディア・身体文化』新評論 1998 ●参考文献:片木篤『オリンピックシティ東京1940・1964』河出書房新社 2010 / 石坂友司・松林秀樹(編著)『〈オリンピックの遺産〉の社会学:長野オリンピックとその後の十年』青弓社、2013 |
◆7月で調整中 都営霞ヶ丘アパートを訪ねる ―オリンピック施設建設のため立ち退きを迫られる都心の「限界集落」 ■福士敬子(元都議会議員) 1964年の東京オリンピックの時の再現のように、住民の意思を無視してオリンピック関連施設の建設を強行し、住民が立ち退きを強いられるという構図はなぜ繰り返し起こるのか。今回の招致に至るまでの都議会での議論についてのお話や、立ち退きに揺れる住民の声を聞き、高齢化が進む霞ヶ丘アパートの現状から見えてくることについて、共に議論します。 |
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◆7/26(土) 葛西臨海公園を訪ねる ―競技施設の建設予定地になった野鳥の聖地 ■飯田陳也(日本野鳥の会東京 幹事) 生き物を長く観察していると自分たち人間が置かれている環境がよく見えます。「生き物の聖地」として東京都が造った公園を自ら壊そうとしている矛盾を皆さんの目で見てください。 |
◆9/2 国際理解の場か? それともナショナリズムを高揚させる場か? ■谷口源太郎(スポーツジャーナリスト) 理想から大きく乖離し、華麗なスポーツエンターテイメントに堕ちたオリンピックの現実を徹底的に検証する。 |
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◆9/30 純粋なるスポーツの祭典か? それとも金儲けのための道具か? ■谷口源太郎(スポーツジャーナリスト) 近年のオリンピックの商業化とそれによる弊害について、また「行き過ぎた営利主義」を見直してアスリート本意の大会にするために必要なことについて考えます。 ●主著:『日の丸とオリンピック』文芸春秋 1997 / 『スポーツ立国の虚像』花伝社 2009 ●参考文献:谷口源太郎『オリンピック再考(仮)』コモンズ 2014(近刊) |
◆10月で調整中 IOCは誇り高き賢人の集まりか? それとも欲におぼれた愚者の集まりか? ■結城和香子(読売新聞社 編集委員) オリンピック・ムーブメントの普及という理想を掲げる非営利団体であるはずのIOCが、肥大化する放送権料とスポンサーシップ収入で懐を潤している現状をどう理解すればいいのか。 ●主著:『オリンピック物語―古代ギリシャから現代まで』中公新書ラクレ 2004 |
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◆11/11 徹底討論 東京オリンピックに賛成?反対? ■大江正章(コモンズ代表/PARC代表理事) 賛成派・反対派に分けてディベートを行う予定です。8回の学びをふまえて、思い込みではなく、事実と理念に基づいて、議論を進めていきます。相手を説得する技も身につけましょう。 |
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