講座内容
◆6月3日 ★超大国・アメリカが中東でおこなってきたこと ―ブッシュ・オバマ政権を中心に ■油井大三郎(東京女子大学現代教養学部教授) 2001 年9月11 日の同時多発テロ事件以来、米国は中東に泥沼的な介入を続けている。オバマ大統領は「文明間の対話」を提唱しているが、果たしてそれは実現可能なのか、この問いを歴史的に考えてみたい。 |
◆6月17日 ★エジプト革命と揺らぐ米国の中東政策 ■北沢洋子(国際問題評論家) チュニジア、エジプト革命は、青年の平和的なデモによって成功した。アラブの独裁政権や王政を支援して、イスラエルを守ってきた米国の中東政策はジレンマに陥っている。 |
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◆7月15日 ★失敗に終わった「対テロ」戦争 ―アフガン、イラクの現場から ■谷山博史(日本国際ボランティアセンター〈JVC〉代表理事) 対テロ戦争の失敗―アフガニスタン、イラク、パレスチナの戦争の現場からアフガン、イラクで対テロ戦争はなぜ失敗したのか。日本は戦争に関与することで何を失ったのか。日本政府と市民がなすべきことは何か。紛争を理解することが平和の鍵です。 |
◆7月23日(土)14:00~16:00 映画を見る ★誰が殺されてきたのか ―メディアが伝えてこなかった被害者のいのち ■土井敏邦(ジャーナリスト) 2008 年のイスラエルのガザ攻撃は約1400 人(7割が民間人)の犠牲者を出しました。被害は人命や家屋に限らず、工場や農地など産業基盤も破壊されました。被害の実態を遺族や関係者の証言を元に描いたドキュメンタリー作品を観ながら、人びとの声を十分に伝えられない既存のメディアの問題をお話しいただきます。 ※上映作品:『ガザ攻撃』〈『ガザに生きる』5 部作の第5 部〉(監督:土井敏邦/ 日本/90 分) |
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◆9月9日 ★アラブの民衆革命とグローバル経済 ―民営化・債務・貧困にNO をつきつけた人びと ■福田邦夫(明治大学教授) 2011 年にアラブ諸国に広がった民衆革命の大きなうねり。それは単なる『ネット革命』ではなく、背景に金融や貿易の自由化、国営企業の民営化を推し進めてきたグローバル経済への抵抗運動でもあります。貧困や失業、食糧難を引き起こしている経済のあり方を問いながら、アラブ諸国の社会運動の可能性について、お話しいただきます。 |
◆10月6日(木) ★ことばとビートで紡ぐ占領への抵抗 ―アラブ・ヒップホップとパレスチナの若者たち ■田浪亜央江(大学非常勤講師/ ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉運営委員) 陰惨な死と恐怖だけがパレスチナではない。占領や差別に抵抗する者たちの文化は、支配者たちの文化より圧倒的にカッコよく、力強い。これがお伝えしたいことです。 |
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◆10月21日 ★フェイスブックとTwitter が世界を変える!? ─アラブ諸国の民衆メディア運動【延期】 ■アレズ・ファクレジャハニ(ジャーナリスト/ 東京外国語大学研究員) アラブ諸国に広がる民衆デモの要因の一つには、フェイスブックやTwitter 等のメディアがあるといわれています。チュニジア・エジプトのデモが巻き起こる中で、イランでは政府がソーシャルメディアの影響力を恐れて、国外に拠点をおいている「緑の運動」のサイトらに強いサーバー攻撃、民衆はその攻撃をすり抜け発信するというネット空間での攻防戦が繰り広げられています。この回ではイラン出身のジャーナリストをお迎えしてアラブ諸国の民衆の本音に迫り、メディア運動の課題と可能性をお話しいただきます。 |
◆11月4日 ★アラブ民主化へのチカラ ―チュニジア・エジプトのデモが投げかけたもの ■ダルウィッシュ・ホサム(東京外国語大学大学院講師・研究員) チュニジア・エジプト革命は、「永続的かつ安定的」と呼ばれたエジプトの独裁体制に立ち向かった若者たちによって牽引されました。彼・彼女らは特定の組織された政治勢力ではなく、底辺の一般大衆による変革が可能だということを証明しました。エジプト民衆は今後どのような社会の姿を希求しているのかについてお話しいただきます。 |
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◆11月19日(土) 13:00-16:00 ★フェアトレードという連帯の形 ─互いのエンパワーメント ■皆川万葉(パレスチナ・オリーブ) パレスチナからフェアトレードでオリーブ商品を輸入・販売。現地生産者や日本のお店・個人とつながって一人一人が大切にされる社会を一緒につくっていこうという経験からお話しします。 ■早尾貴紀(東京経済大学教員/ パレスチナ情報センター) パレスチナへの開発援助がイスラエルによる占領体制に組み込まれている!? 政治経済からモラルまでが崩壊していった10 年間を振り返りつつ、あるべき市民のつながりを考えたい。 |
◆ ★人びとがつくる「アラブ世界」への視点 ■岡真理(京都大学大学院人間・環境学研究科教授) パレスチナ問題やアラブ民衆革命を論じる際、日本社会にいる私たちは、どのような場から語っているのでしょうか。私たちはそれらと無関係に居るのでしょうか? これらの課題が民衆の目線から国際的に認識され解決の途に至らない理由の一つとして、私たちの認識が一方の当事者に都合よく操作されているという事実があります。いかにしてアラブの人びととつながる回路を持ち、状況を変えていけるか、その道筋についてお話しいただきます。 |
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◆12月16日(金)19:00~21:00 ★テーマ:在日リビア人から見た「アラブ革命」の現実 ―なぜ僕はリビア大使館へのデモを行なったのか― ■講師:アーデル・スレイマンさん(在日本。エリコ通信社・23歳) 日本人の母親とリビア人の父親を持ち、少年時代の多くをリビアで過ごす。 2011年2月、東京都渋谷区のリビア大使館前でカダフィ体制に対する抗議デモを 組織する。 |