講座内容
◆5/29 ★オリエンテーション ―島から世界を眺めてみると ■宮内泰介(北海道大学大学院文学研究科 教員/NPO法人さっぽろ自由学校「遊」共同代表/PARC 理事) 自然とのつきあい方、地域社会の成り立ち方、大きな経済とのつき あい方。島の社会からそれらを見てみるとどう見えるのか、南太平洋のソロモン諸島を中心にお話しします。 |
◆6/12 ★境域を生きる海の民 ―バジャウの人びとの暮らし ■長津一史(東洋大学社会学部 准教授) 国境地帯を含む様々な境域を生活の舞台としてきた東南アジアの海民、バジャウ人を取りあげ、かれらの移動する生き様や柔軟で混淆的な生活世界についてお話しいたします。 |
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◆6/26 ★森を創り、使う知恵 ―セラム島の人びとの暮らし ■笹岡正俊(国際林業研究センター〈CIFOR〉) 「森を創り、使う」、セラム島山地民の知恵と実践から、多様な生き物との共生のために、何を学ぶことができるか、考えたいと思います。 |
◆7月~8月で調整中 ★小さな島の小さな村の掟「サシ」 ―自然の恵みと喜びを共にわかちあうための 我慢 ■鈴木隆史(桃山学院大学 講師) 伝統的な資源管理のシステムと呼ばれる「サシ」。小さな島(村)に暮らす人びとが、限られた資源 を上手に利用しながら生き延びるために考え出した知恵。それはやがて村の掟となった。でもその掟 には限られた資源をみんなでわかちあうための工夫がてんこもり。そして一番大事なことは、喜びの 共有。みんなで我慢して、自然の恵みをわかちあうとき、それは喜びに変わる。インドネシアのハル ク島ハルク村のロンパ(イワシの仲間)の解禁日(ブカサシ)の様子をビデオで紹介します。 |
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◆7/24 ★海を駆けたラピタの人びと ―東南アジアからオセアニアへと移住した海民達の歴史と暮らし ■小野林太郎(東海大学海洋学部海洋文明学科 教員) 東南アジアには今でもバジャウのような海民達が暮らしていますが、そんな海民の祖先達が4000年前頃、オセアニアへも移住していた痕跡を、最新の発掘成果より紹介します。 |
◆9/11 ★信仰・交易・資源利用から見直す琉球海洋史 ■豊見山和行(琉球大学 教員) 琉球列島海域における多様な航海神信仰や水産 資源(ヤコウガイ、ジュゴン等)の利用史をたどり直し、人と海の関係史を生活者の視点から再考し たいと思います。 |
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◆10/2 ★ナマコから見るアジアの近現代史 ■赤嶺 淳(名古屋市立大学人文社会学部 准教授) 鶴見良行の名著『 ナマコの眼』から約20年。その後のナマコ世界の変化を環境問題とからめて報告します。 |
◆10/9 ★ボーダーを超える人びと ―ブギス社会の自由と流動性 ■伊藤 眞(首都大学東京 教授) 「ボーダー」と いう語をキーワードに、インドネシアのブギス社会について考えてみたいと思います。対象とするの は、性、身分のボーダー、そして政治社会のボーダーです。ボーダーは社会の秩序維持に欠かせない ものの、ブギスの人びとはボーダーを超えることを必ずしも否定しません。そこにこそ社会的な活力 の源があることを認めているからです。 | |
◆10/23 ★失われゆく文化を取り戻す ―グアム・チャモロの文化復興運動 ■長島怜央(法政大学 兼任講師/サステイナビリティ研究教育機構 研究員) 踊り、詠唱、農業や薬草、カヌー建造や航海等々。グアムやサイパンを含むマリアナ 諸島で試みられてきた伝統的または土着的な実践を通じた文化や生活の再構築について考えます。 |
◆11/6 ★バリ島に〈主婦〉はいない? ―女の仕事・家族・ジェンダー ■中谷文美(岡山大学大学院社会文化科学研究科 教授) 「神々の島」バリで多忙な毎 日を送る女性たち―ロマンチックなイメージとは裏腹の、ジェンダー関係の厳しさや都市と農村の家 族をめぐる変化などをお伝えします。 | |
◆ 11/20 ★先住ハワイアンから見た あなたが知らない「楽園」ハワイ ■高橋真樹(ノンフィクションライター/編集者) 「南国の楽園」ハワイ。しかし、この島で暮らしてきた先住民の視点に立てば、イメージと はまるで違ったハワイの姿が見えてきます。今を生きるハワイアンの思いを伝えます。 |
◆12/4 ★場所を超えるわかちあいの豊かさ ―「協治」の可能性 ■井上 真(東京大学大学院教員) 焼畑を中心として生計を維持してきたカリマンタン 先住民たちの文化は、いま劇的に変わろうとしています。民族や国境を越えるわかちあいの可能性を 一緒に考えてみましょう。 |