講座内容
◆6/4 世界経済は私たちから遠いもの? ―グローバル大企業の動きを徹底解剖 ■萩原伸次郎(横浜国立大学 名誉教授) 今日の世界経済は、グローバル企業の行動によって大きな影響を受けています。この講義は、現代多国籍企業の組織と行動についてわかりやすく解説いたします。 ●主著:『米国はいかにして世界経済を支配したか』青灯社 2008 ●参考文献:S.ハイマー著、宮崎義一訳『多国籍企業論』岩波書店 1979/萩原伸次郎『世界経済と企業行動』大月書店 2005 |
◆6/19 スターバックス、ゼンショー コンシャス・カンパニーとブラック企業の「フェア」トレード ■山本純一(慶應義塾大学環境情報学部 教授) コンシャス・カンパニーとして高く評価されるスターバックス。他方、ブラック企業として批難されるゼンショー。この両社ともフェアトレードを実践しているが、その実態は? ●主著:『インターネットを武器にした<ゲリラ>』慶應義塾大学出版会 2002/『メキシコから世界が見える』集英社 2004 ●参考文献:ジョン・マッキー&ラジェンドラ・シソーディア『世界でいちばん大切にしたい会社』翔泳社 2014/山本純一「フェアトレードの歴史と『公正』概念の変容:『報復的正義』から『互酬』、そして『分配的正義』から『交換的正義』へ」『立命館経済学』第62巻第5・6号 2014 (URL:http://ritsumeikeizai.koj.jp/koj_pdfs/62501.pdf) |
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◆7/3 イオン 大型店の出退店戦略 対 地域経済の再構成 ■山川充夫(帝京大学経済学部地域経済学科 教授) この講義では、大型店の出退店が商店街の衰退など地域経済に与えている影響や、フードデザート(食砂漠)問題の克服など地域経済を生活者本位に転換する考え方を学びます。 ●主著:『大型店立地と商店街再構築』八朔社 2004/『原災地復興の経済地理学』桜井書店 2013 ●参考文献:土屋 純・兼子 純『小商圏時代の流通システム』(共編)古今書院 2013/M.シューマン著、毛受俊浩監訳『スモールマート革命』明石書店 2013 |
◆7/16 ディズニー 模倣品はどんどん摘発? 著作権保護と文化、貿易を考える 米国の大企業・ウォルト・ディズニー社は、映画やアニメ、TV番組のコンテンツや、キャラクターグッズや関連施設などおびただしい数の著作権を持ち、ビジネスを展開しています。TPPの難航分野である「知的所有権」の中には、著作権に関する中身も含まれ、著作権保護期間や非親告罪化をめぐり米国は大企業に有利な提案を続けています。この回では、著作権にかかわるビジネスの実態と、誰がどのように儲けているのか、そして私たちの暮らしへの影響、表現の自由との兼ね合いを専門家にわかりやすくレクチャーしていただきます。 |
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◆7/30 アフラック なぜ、外資系保険が日本で市場を拡大できるのか? ■本間照光(青山学院大学 教授) アフラック(アメリカンファミリー生命保険)は、日本のがん保険の7割りのシェアを占めています。また、かんぽ生命と業務提携して、全国の郵便局でも保険を売っています。他方で、アメリカ政府と業界の意向を受けた保険業方改訂で、PTAや障害者を支える共済もできなくされました。TPPへとつながる大きな動きを、保険と共済からみていきます。 ●主著:『保険の社会学―医療・くらし・原発・戦争』 勁草書房 1992 |
◆8/27 ユニクロ 安価なファッションの裏側で泣かされているのは誰? ■横田増生(ジャーナリスト) 私が『ユニクロ帝国の光と影』を刊行すると、名誉毀損の裁判を起こされました。ユニクロが問題視したのはその労働環境。我々がどのように裁判に完勝したのかをお話しします。 ●主著:『中学受験』岩波新書 2013年/『評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」』朝日文庫 2014 ●参考文献:横田増生『ユニクロ帝国の光と影』文春文庫 2013/月泉博『ユニクロ 世界一をつかむ経営』日経ビジネス文庫 2015 |
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◆9/4 アマゾン 書店、スーパー、ゲーム、家電・・・あらゆる業界を侵食するネットビジネス ■横田増生(ジャーナリスト) 今ではネット通販の覇者となったアマゾン。10年程前、そのアマゾンの物流センターで約半年働いた経験をもとにアマゾンについてお話しします。 ●参考文献:横田増生『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』朝日文庫 2010/ブラッド・ストーン『ジェフ・ベゾス 果てなき野望―アマゾンを創った無敵の奇才経営者』日経BP社 2014 |
◆9/24 ローソン 有機農産物市場へも進出? 農業や食への影響 ■大江正章(コモンズ代表/PARC共同代表) ローソンは大地を守る会の株の3割強を取得、成城石井を買収し、全国19カ所でローソンファームを展開している。新浪剛史と産業競争力会議の思惑に迫り食と農の未来を考える。 ●主著:『地域の力――食・農・まちづくり』岩波新書 2008/『放射能に克つ農の力--ふくしまから希望の復興へ』(共著)コモンズ 2012 ●参考文献:藤田和芳・小松洸一『いのちと暮らしを守る株式会社―ネットワーキング型のある生活者運動』(共著)学陽書房 1992/藤田和芳『脱原発社会を創る30人の提言』(共著)コモンズ 2011 |