講座内容
◆6/16 はじめに:東南アジアポピュラー音楽のいま —グローバルとローカルの相克 ■井上貴子(大東文化大学国際関係学部 教授) グローバル化の下、欧米に加え東アジアやイ ンドなど近隣諸国のポピュラー音楽が流入し、 激動の東南アジア音楽シーンをメディアと音 楽産業の変化を視野に入れつつお話しします。 ●主著:『ビートルズと旅するインド、芸能と神秘の世界』柘植書房新社 2008年 /『アジアのポピュラー音楽─グローバルとローカルの相克』勁草書房 2011 |
◆7/7 インドネシア〜マレーシア: 海と国境を越えて広がる音楽 ■小池 誠(桃山学院大学国際教養学部 教授) 今回はおもにインドネシアを代表する大衆音 楽ダンドゥットを取り上げる。ダンドゥット はインドの映画音楽とマレー音楽などが交じ り、国境を越えて広がる音楽である。 ●主著:『インドネシア─島々に織り込まれた歴史と文化』三修社 1998 /『東イ ンドネシアの家社会─スンバの親族と儀礼』晃洋書房 2005 ●参考文献:田子内 進『インドネシアのポピュラー音楽 ダンドゥットの歴史─模倣から創造へ』福村書 店 2012 |
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◆7/28 タイ:クメール系の歌謡曲と「カントゥルム・ロック」 ■松村 洋(音楽評論家) タイとカンボジアの国境周辺の大衆音楽カン トゥルム。クメール文化とロックの要素を融 合させたこの地域の音楽の変容を、代表的な アーティストの音源とともに見ていきます。 ●主著:『アジアうた街道』新書館 1999 /『唄に聴く沖縄』白水社 2002 |
◆8/5(水) 「ポップ・バリ」とバリ島のアイデンティティをめぐる運動 ■伏木香織(大正大学 准教授) バリ島のポップス、ポップ・バリは「バリ文化」の見直しが進められる中で再興隆し、社会の動きや政治とも密接に関連するようになりました。本講義では「アジェッグ・バリ」という概念とともに成立したポップ・バリの諸スタイルと、それぞれの社会問題への対応、政治との関係性を明らかにします。 ●共著:“Social and Political Effects of Pop Bali Alternatif on Balinese Society: The Example of ‘XXX’”, in International Journal of Asia Pacific Studies, 9/1, 37–67, 2013 /『アジアのポピュラー音楽─グローバルとローカルの相克』勁草書房 2011 |
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◆9/22 東南アジアの伝統音楽と西洋音楽の出会い ■北中正和(音楽評論家) 東南アジア各地の伝統的な音楽は、植民地 時代における西洋からの楽器やクラシック音 楽の流入、そして現代における欧米のポピュ ラー音楽の影響によってどのように変わって いったのか。その変遷を音で辿ります。 ●主著:『ギターは日本の歌をどう変えたか─ギターのポピュラー音楽史』平凡社 新書 2002/『毎日ワールド・ミュージック1998-2004』晶文社 2005 ●参考文献: 北中正和(監修)『世界は音楽でできている[ヨーロッパ・アジア・太平洋・ロシア & NIS 編]』音楽出版社 2007 |
◆10/6 東南アジアの多様さを聴く —出会い、混じり合い、新たに生まれる音楽 ■北中正和(音楽評論家) ■松村 洋(音楽評論家) 長年世界中の音楽シーンを体感してきたお二人に、一括 りにできない東南アジアのポピュラー音楽の多様さ、こ れまでの回で取り上げられなかった数々のアーティスト、 沖縄や日本の音楽との関係など、ボーダーレスに語って いただきます。 |