ようこそPARCへ!

16. 国家戦略特区で暮らしはどうなる?

募集状況: お問い合わせ下さい

¥23,000

概要

2014年3月、アベノミクスの成長戦略「第三の矢」の目玉として、全国6ヶ所が「国家戦略特区」に指定されました。この特区を柱に、安倍首相は「日本を世界一企業の活動しやすい国にする」と宣言しています。しかし雇用の規制緩和、外国企業の医療参入や投資拡大、混合診療の解禁、農業への企業進出など、実は特区の推進によって私たちの暮らしやいのちが市場化される危険性があります。またTPPなどの自由貿易協定との類似性も指摘されており、今後全国に展開されていくことが懸念されます。このクラスは、2015年にさらに具体化し実体化していく国家戦略特区の動きをリアルタイムで追いかけつつ、各地・各分野での影響を考えます。

●2015年6月〜10月 
●原則として隔週水曜日 19:00〜21:00
●全8回/定員30名 
●受講料:23,000円
※出かける回は交通費・宿泊費・食費などが別途かかります。

この講座のPDFはこちらからダウンロードできます。
全講座の掲載されたパンフレットのPDF版はこちらからダウンロードできます。(約36MB)


16. 国家戦略特区で暮らしはどうなる?

ダブルクリックすると大きな画像を表示します。

ズームアウト
ズームイン

もっと見る

講座内容

◆6/3
国家戦略特区は何をめざしているのか
—韓米FTAと経済特区の経験から
photo coming soon ■郭 洋春(立教大学経済学部教授)



安倍政権が成長戦略の柱の1つと位置づけている国家戦略特区は、本当に日本を豊かにするのか。マスコミや新聞報道では報じられない真実を明らかにしていきたいと思います。

●主著:郭 洋春『TPP すぐそこに迫る亡国の罠』三交社 2013/原中勝征・TPP阻止国民会議編著『私たちはなぜTPPに反対するのか』祥伝社 2014
●参考文献:郭 洋春「異形の経済制度─国家戦略特区」『世界』2014年8月号 岩波書店/アジア太平洋資料センター編『徹底解剖国家戦略特区: 私たちの暮らしはどうなる?』コモンズ 2014
  ◆6/20(土)午後
東京・特区の指定区を歩く
東京はどう変わる?都市再開発の実態を歩いて調べる
photo coming soon ■奈須りえ(市民政策アナリスト /前大田区議)


規制は法律でできています。規制緩和とは法律をなくす無法地帯を広げること。無法地帯は弱肉強食です。規制緩和の及ぼす影響と公共の意味について現場を歩きながら考えます。

※奈須りえさんの講義後、現場を歩きます。

●参考資料:ウェブサイト「なくそう婚外子差別 つくれ住民票」で公開している裁判書面など
●共著:アジア太平洋資料センター編『徹底解剖国家戦略特区: 私たちの暮らしはどうなる?』コモンズ 2014

◆7/1
強い農業に動員される農村

photo coming soon ■大野和興(農業ジャーナリスト)



グローバル化のもとで、農民を土地から引き剥がす動きが世界的に広がっています。それはそのまま農民層の解体を意味します。農業を軸とする国家戦略特区もまたそうした世界史的な流れの中に位置づけられます。講義では「農民と土地」の関係を人と自然。人と人の関係性の中で明らかにしながら国家戦略特区が持つ「人間否定」の本質を考えます。
●主著:『日本の農業を考える』岩波書店 2004/『食大乱の時代—”貧しさ”の連鎖の中の農と食』七つ森書館 2008
●参考文献:『壊死する風景—三里塚農民の生とことば』のら社 1970(復刻版 2005)/山下惣一・大野和興対談『<増補>百姓が時代を創る』七つ森書館 2008
 
◆9/26 (土)〜9/27(日) 1泊2日
【合宿・新潟市を訪ねる】
大規模農業特区で何が起きているのか?
photo coming soon ■案内人:伊藤亮司(新潟大学農業生産学科 助教)


全国6か所の国家戦略特区指定のうち、新潟県新潟市は大規模農業の改革拠点として、企業の参入や各種制度の規制緩和が行なわれようとしています。これらは農業・農村さらには市民の暮らしをどのように再編するのでしょうか?現場での講義、農業者や関係者のお話を聞きながら考えます。

●主著:『TPPで暮らしと地域経済はどうなる』自治体研究社 2011/『動き出した「人・農地プラン」—政策と地域からみた実態と課題』農林統計協会 2013
●参考文献:伊藤亮司「農業・自然的資源を生かす小さな経済−新潟・戦略特区・TPPに対抗」『経済』 2014年11号 新日本出版社

◆9/16
家事サービスを担う外国人労働者受け入れ解禁でどうなる?
photo coming soon ■竹信三恵子(ジャーナリスト/和光大学教授)


外国人家事支援人材の規制緩和が特区で進んでいます。富裕家庭の外国人お手伝いさん? いいえ、公的福祉の破壊への一歩がそこにあります。この仕組みをしっかり学びましょう。

●主著:『家事労働ハラスメント〜生きづらさの根にあるもの』岩波新書 2013/『ピケティ入門〜「21世紀の資本論」の読み方』株式会社金曜日 2014
●参考文献:竹信三恵子『家事労働ハラスメント〜生きづらさの根にあるもの』岩波新書 2013
 
◆10/7
TPP・TiSA・国家戦略特区
—内外から押し寄せる「いのちの市場化」
photo coming soon ■内田聖子(PARC事務局長)


TPPやTiSA(新サービス貿易協定)などの自由貿易協定と、徹底した規制緩和をめざす国家戦略特区の根っこは同じ。グローバル大企業によるルールづくりの中では、いのちや暮らしより利潤が優先されます。私たちは今まさに「国外=自由貿易」と「国内=アベノミクス」という内外からの大波に直面しているのです。貿易交渉の現在とその本質に迫ります。

●共著:アジア太平洋資料センター編『徹底解剖国家戦略特区: 私たちの暮らしはどうなる?』コモンズ 2014

◆10/21
まとめとこれから
市民による政策ウォッチを!
photo coming soon ■内田聖子(PARC事務局長)


photo coming soon ■奈須りえ(市民政策アナリスト/前大田区議)


これまでの講義や現場訪問を経た感想や発見した問題について皆さんで議論します。一番の課題は、身近で起こる国家戦略特区の具体計画について、市民がどうやって関わり、意見を言っていくか。情報収集・分析の方法や議員へのロビイング、市民への周知など私たちが日常的にできる具体的な活動を考えていきます。

[profiler]
Memory usage: real: 34078720, emalloc: 33684608
Code ProfilerTimeCntEmallocRealMem