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03. 揺らぐ「国家」—私たちは今どこに立っているのか

募集状況: 受付中

¥20,000

概要

イスラム国の出現と、日本人人質殺害事件は私たちに大きな衝撃を与えました。また、エボラ熱、移民、あるいはグローバル企業——既存の「国家」をいう枠組みや、線引きされた国境を自在に超えるものに、私たちは時として「違和感」や「恐怖」、「脅威」を抱きます。経済のグローバル化や大国の「力」の行使によって、国民を統合する国家の枠組みが揺れています。なぜ国家という器は不安定になったのか。国民との関係はどうなるのでしょうか。国家に従属させられることなく、私たち一人ひとりが自由と権利を行使して生きていくためには? 個々の現象から現在の世界情勢と変わるパワーバランスを読み解いていきます。

●2015年6月〜10月
●原則として金曜日 19:00〜21:00
●全7回/定員30名
●受講料 20,000円

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03. 揺らぐ「国家」—私たちは今どこに立っているのか

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講座内容

◆6/5
「イスラーム国」とは何か—その脅威と新しさ

photo coming soon ■酒井啓子(千葉大学法政経学部 教授)


2015年1月に起きた「イスラーム国」による日本人人質殺害事件は、日本社会に衝撃を与えた。国際社会を震撼させている「イスラーム国」出現の原因と背景を探る。

●主著1:『中東から世界が見える』岩波ジュニア新書 2014
●主著2:『<中東>の考え方』講談社新書 2010
●参考文献:山尾大・吉岡明子『「イスラーム国」の脅威とイラク』(共編)岩波書店 2014
  ◆6/19
「小さき国民」が求める主権—スコットランド住民投票は何を問うているのか
photo coming soon ■山崎幹根(北海道大学大学院法学研究科 教授)


昨年9月に行われたスコットランドでの独立を問う住民投票は、日本でも多くの人々の関心を集めました。本講義では、独立運動の背景や、日本の政治への示唆を、講師が現地で撮影した興味深い写真や人々の声などを紹介しながら考え、また、今後のイギリス政治、スコットランド政治の行方について展望します。

●主著1:『「領域」をめぐる分権と統合 スコットランドから考える』岩波書店 2011
●主著2:『スコットランドの挑戦と成果地域を変えた市民と議会の10年』(共著)イマジン出版 2010
●参考文献:山崎幹根「スコットランド住民投票の普遍的意義」『世界』2014年11月号 岩波書店
●参考ウェブサイト:山崎幹根「イギリスとスコットランドはこれからどうなる?—『民主主義の刷新』それでもくすぶる対立の火種」日経ビジネスオンライン http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20141022/272908/

◆7/7
富裕層だけがトクをする租税回避システム—世界中の資金を隠匿するタックス・ヘイブンの実情


photo coming soon ■志賀 櫻(弁護士)


国際的租税回避によって想像を絶する額の資産が、タックスヘイブンに秘匿されてマネーゲームを繰り広げ、挙げ句の果てにリーマンショックのような経済危機を引き起こしています。今その実情が少しずつあぶり出されて来ています。ピケティも見逃して気が付かないでいる格差の真の原因 ー タックスヘイブン。この実情を知ることなしに分析評論政策提言を行っても空振りに終わるだけです。

●主著・参考文献1:『タックス・ヘイブン —逃げていく税金』岩波新書 2013
●主著・参考文献2:『タックス・イーター —消えていく税金 』岩波新書 2014
※「誰が私たちのお金を奪うのか—貧困と格差を生み出すシステム徹底暴露!」との合同クラスです。
 
◆7/3
ヘイトスピーチ/ヘイトクライムに対する国家の「役割」とは何か
—EUにおけるレイシズム・移民排斥の高まりとそれに対応する経験から
photo coming soon ■森 千香子(一橋大学大学院法学研究科 准教授)


人権を統合理念の一つに掲げ、その状況改善に取り組んできたEUでレイシズムや排外主義が再び高まっているのはなぜか。その背景と課題を日本の状況を参照しながら考える。

●主著1:『排外主義を問い直す』(共編著)勁草書房 2015(5月末刊行予定)
●主著2:『国境政策のパラドクス』勁草書房 2014年(共編著)
●参考文献1:金 尚均 、森千香子ほか『ヘイトスピーチの法的研究』(共著)法律文化社 2014
●参考文献2:小林 真生 、森千香子ほか『レイシズムと外国人嫌悪』(共著)明石書店 2013

◆7/31
香港「雨傘革命」の歴史的背景——香港の脱植民地化と「主体性」 
photo coming soon ■丸川哲史(明治大学政治経済学部教養デザイン研究科 教授)

香港の「民主」運動の性格を考えるには、イギリスに統治された歴史から見なければなりません。外側からの当て嵌めではなく、内部の歴史経験からその意味を汲み取ること。

●主著1:『思想課題としての現代中国』平凡社 2013
●主著2:『阿Qの連帯は可能か? 来たるべき東アジア共同体のために』せりか書房 2015年発行予定
●参考文献1:陳光興『脱帝国 方法としてのアジア』以文社 2011
●参考文献2:羅永生『誰も知らない香港現代思想史』レプブリカ 2015年発行予定
 
◆9/4
力づくでの「国家づくり」がなぜ失敗するのか—アフガニスタンの経験から
photo coming soon ■谷山博史(JVC代表理事)


「平和」のための国づくりは、アフガニスタンに一体何をもたらしたのでしょうか。日本の市民社会が、地続きの問題として平和を捉えられるよう、今一度アフガニスタンの爪痕、悲しみから学びます。

●主著:『NGOの選択—グローバリゼーションと対テロ戦争の時代に』(共著)めこん 2005

◆10/2(金)
国家と〈わたしたち〉—混沌と絶望から、未来を描くために

photo coming soon ■西谷修(立教大学大学院文学研究科 特任教授)

戦争が「テロとの戦争」になったときから、そして国家がグローバル企業の乗り物になったときから、国家と〈わたしたち〉との関係はどうなったのか、日本の現状を念頭におきながら考えます。

●主著1:『破局のプリズム—再生のヴィジョンのために』ぷねうま舎 2014
●主著2:『「テロとの戦争」とは何か—9.11以後の世界』以文社 2002
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