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13. みずからが燃えなければ、どこにも光はない―民衆思想の100年

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¥36,000

概要

暮らしの在り方や価値観の大きな変容をもたらした「近代」。そのうねりの中で、人びとは不安を抱き、葛藤し、同時に新しく生まれ落ちつつある世界にふれる高揚と、変革の希望にも衝き動かされていました。社会の構造を認識し、その可変性を理解し、あるべき社会を構想する喜び、みずからの考えをことばにし、ことばを武器や魔法のようにあやつって他者と闘い、また結びついていく喜び。そこには今日につながるいくつもの問題の萌芽と、それに向き合った思索・論争・実践があったのです。しかしわたしたちの多くは、かれらの挑戦を忘れ去ったまま、そんなものなどはじめから存在しなかったかのように、2010年代の秩序と無力感に閉塞しようとしています。わたしたちはなぜ、今日いるような場所に行き着いたのでしょう。わたしたちはどのようにして、社会に対峙するみずからの生のことばと闘いの作法を獲得していけるのでしょう。近代日本が自己形成していく中で、抑圧に抗して考えぬき、生きぬいてきた人びとのことばと行動を手がかりに、「現在」と往還しつつ考えていきましょう。

●2014年5月~12月 
●基本的に隔週水曜日 19:00~21:00
●全13回/定員30名

13. みずからが燃えなければ、どこにも光はない―民衆思想の100年

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講座内容

◆5/28
民衆思想家について―「田中正造」を軸に 

photo coming soon■花崎皋平(文筆業/さっぽろ自由学校「遊」会員)


民衆思想家とは自分の経験から思想を練り上げて、実践をつうじて表現するあり方を取る人のことです。私がそのあり方を学んだのは、田中正造からです。田中正造がどのような思想を練り上げたかについてお話しします。

●主著:『天と地と人と 民衆思想の実践と思索の往還から』 七つ森書館 2012/『田中正造と民衆思想の継承』 七つ森書館 2010

  ◆6/11
「足尾銅山鉱毒事件」から「東電福島第一原発放射能公害事件」へ
photo coming soon■菅井益郎(國學院大學経済学部 教授)


田中正造の「デンキ開ケテ、世見【※世見に「ママ」とルビをつける】暗夜となれり」という100年前の警鐘が現実となった東電福島第一原発事故による放射能公害事件について、公害史の教訓から検証する。

●主著:『通史足尾鉱毒事件 1877-1984』(共著)新曜社 1984、改訂版 世織書房 2014/エントロピー学会編『原発廃炉に向けて』(共著) 日本評論社 2011
●参考文献:宇井純編『技術と産業公害』(共著)国際連合大学 1985/市民文化フォーラム編『脱原発宣言 文明の転換点に立って』 (共著)世織書房 2012

◆6/25
幸徳秋水と平民社の人びと 大逆事件から現在にいたる国家による言論統制の系譜
photo coming soon■米田綱路(図書新聞 スタッフライター)


言論・表現の自由が脅かされ続けるいま、大逆事件以降の100年を歴史的にたどりながら、現在私たちが直面する問題を皆さんとともに考えていきます。

●主著:『モスクワの孤独 「雪どけ」からプーチン時代のインテリゲンツィア』 現代書館 2010/『脱ニッポン記 反照する精神のトポス(上・下)』 凱風社 2012
●参考文献:米田綱路『ジャーナリズム考』 凱風社 2010
 
◆7/5(土)
ほとんど「自由」じゃないフリーターが読む大杉栄

photo coming soon■平井 玄(地下大学/音楽文化論


英雄主義が苦手な私は「苦労人」堺利彦や「ふられ男」荒畑寒村に近かった。それでも貧しいパリ女たちを見つめる大杉の眼は新鮮だ。女性の非正規労働者があふれる今、一人の仲間として彼を読んでみたい。

●主著:『彗星的思考 アンダーグラウンド群衆史』平凡社 2013/『ミッキーマウスのプロレタリア宣言』 太田出版 2005
●参考文献:大杉栄『日本脱出記』土曜社 2011/黒岩比佐子『パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』講談社文庫 2013
◎上映作品:『ルイズ その旅立ち』 監督:藤原智子 98分/1997年

◆7/23
市川房枝―帝国のフェミニズムの光と陰

photo coming soon■加納実紀代(女性史研究者)


平塚らいてう、伊藤野枝らがいのちを燃やした「青鞜」の時代、その熾火のなかからすっくと立ったのは市川房枝。ウーマノミックスがいわれるいま、その戦中の軌跡から学ぶことは多い。

●主著:『新編日本のフェミニズム10 女性史・ジェンダー史』(編著)岩波書店 2009/『ヒロシマとフクシマのあいだ ジェンダーの視点から』インパクト出版会 2013
●参考文献:森まゆみ『『青鞜』の冒険 女が集まって雑誌をつくるということ』平凡社 2013/加納実紀代「市川房枝 帝国のフェミニズムの陥穽」『講座・東アジアの知識人 4』有志舎(近刊)
 
◆8/6
高群逸枝 詩、アナーキズム、世界を根本から想像/創造しなおす夢
photo coming soon■丹野さきら(明治学院大学 非常勤講師)


詩人・アナーキストとして、また女性史研究者として生きた高群逸枝は「ここではないどこか別の世界」を追い求め続けました。その思想から今何を学べるのか、考えていきましょう。

●主著:『高群逸枝の夢』藤原書店 2009/「われ、ヒトにあらず―田辺元における個と人類」『思想』2012年1月号 岩波書店
●参考文献:鹿野政直・堀場清子編『高群逸枝語録』岩波現代文庫 2001/ハンナ・アレント『革命について』ちくま学芸文庫 1995

◆9/10
日本の近代化と民衆思想

■安丸良夫(歴史学者)


日本の近代化過程を、「通俗道徳」という概念をもちいて、民衆の意識ないし思想の形成・展開という視点から考える。はじめに私の問題意識を簡単にお話ししますが、私の論文「日本の近代化と民衆思想」と「「通俗道徳」のゆくえ」をあらかじめ読んできてください。前者は『安丸良夫集 1』の2~63ページ、後者は同書298~316ページに載っています。できるだけ、参加型・ゼミナール型でやりたいと思います。

●主著:『安丸良夫集 1 民衆思想史の立場』岩波書店 2013

 
◆9/24
燃え上がった全国水平社創立の熱と光―西光万吉と平野小剣の思想
photo coming soon■朝治 武(大阪人権博物館 館長)


初めての自治的・組織的な部落解放運動の出発点となった1922年の全国水平社創立。その熱と光の意味を、中心的役を担った西光万吉と平野小剣の思想から探ってみたい。

●主著:『水平社の原像 部落・差別・解放・運動・組織・人間』 解放出版社 2001/『アジア・太平洋戦争と全国水平社』 解放出版社 2008
●参考文献:朝治武『差別と反逆 平野小剣の生涯』 筑摩書房 2013

◆10/8
ハンセン病療養所の詩人たち―詩人大江満雄との交流の軌跡
photo coming soon■木村哲也(フリーライター)


生への希求を詩に込めたハンセン病療養所の詩人たち。隔離の壁を超えて彼らを支援した詩人大江満雄。その交流の軌跡を、詩の表現を通して共にたどりたいと思っています。

●主著:『大江満雄集 詩と評論(全2巻)』(編)思想の科学社 1996/『癩者の憲章 大江満雄ハンセン病論集』 (編)大月書店 2008
●参考文献:渋谷直人『大江満雄論 転形期・思想詩人の肖像』大月書店 2008/木村哲也「大江満雄とハンセン病療養所の詩人たち」(大月書店HPに連載、2011年1月~9月)
 
◆10/22
在日朝鮮人詩文学の豊かな意義―金時鐘 宗秋月 香山末子

photo coming soon■佐川亜紀(詩人/日本現代詩人会/日本詩人クラブ/社会文学会)

在日朝鮮人詩人は過酷な歴史を体験しながら、在日の言葉で閉塞した日本を鋭く批評し、新鮮な表現をもたらしました。代表的な作品を読み、豊かな意義を考えましょう。

●主著:『日韓環境詩選集 地球は美しい』(編訳)土曜美術社出版販売 2010/『佐川亜紀詩集 押し花』土曜美術社出版販売 2012
●参考文献:『在日コリアン詩選集 一九一六年~二〇〇四年』(編)土曜美術社出版販売 2005/金時鐘『猪飼野詩集』岩波現代文庫 2013

◆11/5
金子文子 わたしはわたし自身を生きる―自己・天皇制国家・朝鮮人
photo coming soon■鈴木裕子(早稲田大学ジェンダー研究所 招聘研究員/女性史研究)

神権天皇制のもと、果敢に天皇制権力に抗した女性の1人が金子文子(1903~26年)です。文子は植民地朝鮮で少女期を送り、植民地権力のもと、朝鮮人が苛酷な支配・搾取を受けるのを目にし、権力への反逆心を燃やしました。また祖母一家から苛め抜かれて自殺を考えますが思いとどまり、朝鮮人のおかみさんから温かい言葉を受け、「愛」を知りました。金子文子のこうした生き方・思想を皆さんとともに考えたい。

●主著:『フェミニズムと戦争 婦人運動家の戦争協力』マルジュ社 1986、増補新版 1997/『資料集 日本軍「慰安婦」問題と「国民基金」』(編著)梨の木舎 2013
●参考文献:鈴木裕子『金子文子 わたしはわたし自身を生きる 手記・調書・歌・年譜』(編著)梨の木舎 2006、増補新版 2013
 
◆11/19
アイヌ民族の文化と表現─詩人、文学者、文化伝承者

photo coming soon■花崎皋平(文筆業/さっぽろ自由学校「遊」会員)


アイヌ民族の思想・文化表現としては、詩人では知里幸恵、バチェラー八重子、違星北斗、森竹竹市、戸塚美波子など、作家では上西晴治、文化伝承の萱野茂、民衆思想の貝澤正、自伝文学の砂沢クラ、弟子シギ子などが視野に入ります。これらの人びとの魅力について話したいと思います。

●主著:『静かな大地 松浦武四郎とアイヌ民族』岩波書店 1988/『風の吹きわける道を歩いて 現代社会運動私史』七つ森書館 2008
●参考文献:花崎皋平『あきらめから希望へ 高木仁三郎対論集』(共著)七つ森書館 2011/花崎皋平『生きる場の哲学 共感からの出発』 岩波新書 1981

◆12/3
民衆思想のしめくくり

photo coming soon■太田昌国(現代企画室)


胸がドキドキするような日々が続く。日本の政治・社会状況のゆえに。どこまで堕ちてゆくのか。歯止めとなるべき「民衆」はいるのか? その「思想」はどこにあるのか?

●主著:『〈極私的〉60年代追憶』インパクト出版会 2014/『テレビに映らない世界を知る方法』現代書館 2013
●参考文献:太田昌国『「拉致」異論 日朝関係をどう考えるか』河出文庫 2008/太田昌国『新たなグローバリゼーションの時代を生きて』河合ブックレット 2011
 
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