講座内容
◆ ★オリエンテーション アフリカは貧しいのか? わたしたちは豊かなのか? ■勝俣 誠(明治学院大学国際学部 教授) アフリカは植民地期から世界経済の景気変動に合わせて「資源争奪の大陸」となったり、「チャリティの大陸」になったり、外部から一方的に規定されてきました。講義ではなによりも、アフリカの人々の自らの尊厳をかけた戦いによる「人々が変える大陸」の現状分析を試みます。『新・現代アフリカ入門 人々が変える大陸』をテキストに使用しますので、予習をオススメします。 ●主著:『新・現代アフリカ入門 人々が変える大陸』岩波新書 2013年4月刊予定 ●参考文献:勝俣誠『脱成長の道 分かち合いの社会を創る』(共著)コモンズ 2011 |
◆ ★検証! TICAD(アフリカ開発会議)― 国際社会はアフリカとどんな支援と関係を つくってきたのか ■山田太雲(オックスファムジャパン アドボカシー・マネージャー) 「アフリカ開発会議」(TICAD)は1993年に始まった国際会議 で、日本はそこでさまざまな役割を果たしてきたといわれ ます。2003年6月・横浜でのTICAD後のこの回では、これ までの取り組みはもちろん、会議で何が話され、どんな声 がアフリカ各国から出されたのか。また国際社会がアフリ カに「関わる」とはどんなことなのか、実際にTICADに関わ る専門家からお話をうかがいます。 |
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◆7/18(木) ★「援助」はアフリカの人びとを幸せにしてきたのか?―開発・援助機関と国際社会の支援を検証する ■稲場雅紀(「動く→動かす」〈GCAP Japan〉事務局長/(特活)アフリカ日本協議会 国際保健部門ディレクター) 2000年以降、国際社会の援助潮流は大きく変化し、「貧困削減」を大きく掲げ、援助国・機関による協調も積極的に行われている。「援助」は本当に変わったのか。市民社会の立場から検証する。 ●主著:『流儀 アフリカと世界に向かい我が邦の来し方を振り返り今後を考える二つの対話』(共著)生活書院 2008/『「対テロ戦争」と現代世界』木戸衛一編 (共著) お茶の水書房 2006 ●参考文献:「動く→動かす」編『ミレニアム開発目標 世界から貧しさをなくす8つの方法』合同出版(合同ブックレット2)2012 |
◆8/1(木) ★紛争はなぜ起こるのか、国際社会はどう向きあってきたのか―国家、民族、介入 ■武内進一(日本貿易振興機構〈ジェトロ〉・アジア経済研究所) アフリカの紛争は、アフリカと私たちとの関係についてさまざまなことを教えてくれます。ルワンダやコンゴ民主共和国、マリなどの事例をもとに、アフリカの国家と民族、そして国際社会の介入について考えます。 ●主著:『現代アフリカの紛争と国家 ポストコロニアル家産制国家とルワンダ・ジェノサイド』 明石書店 2009/『戦争と平和の間―紛争勃発後のアフリカと国際社会』(編著)アジア経済研究所 2008 ●参考文献:『アジ研ワールド・トレンド』2012年10月号(特集:不安定化する「サヘル・アフリカ」)(ウエブにて公開中)/藤原帰一・大芝亮・山田哲也編『平和構築・入門』有斐閣 2011 |
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◆9/13(金) ★ソマリア「海賊」対処とジブチ自衛隊基地設置 ―その植民地主義的な性格と「平和主義」の危機 ■高林敏之(日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会 常任理事) ソマリア「海賊」問題を利用した、国際警察行動の法制化とジブチへの自衛隊基地の設置。「悪」との対決を大義名分に「平和主義」を崩壊させる動きを検証します。 ●主著:『トラウマ的記憶の社会史 抑圧の歴史を生きた民衆の物語』(共著)明石書店 2007/『ハンドブック 現代アフリカ』(共著)明石書店 2002 ●参考文献:高林敏之「『ソマリア海賊問題』を生み出したもの あるいはアフリカで奏でられる『帝国復活』のファンファーレ」『歴史学研究』第862号 2010年1月 |
◆9/26(木) ★コンゴ民主共和国の鉱山開発・土地・資源と暴力 ■ムケンゲジャイ・マタタ(オリエンス宗教研究所 所長) コンゴ民主共和国は、隣接国の武装勢力による資源強奪など鉱物資源の問題がクローズアップされている。それにともなうITとの関連、女性や子ども・高齢者への暴力などの人権問題について考察したい。 ●参考文献:米川正子『世界最悪の紛争「コンゴ」 平和以外に何でもある国』創成社 2010 Alain Deneault, Noir Canada. Pillage, corruption et criminalité en Afrique, ed. écosociété,2008 |
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◆ ★ 日本の「アフリカ観」―在日ガーナ人がみた日本との30年間 ◆ |
◆10/24(木) ★映像や文化をつうじて学ぶアフリカ 人びとの運動 ■津山直子(NPO法人アフリカ日本協議会 理事/関西大学 客員教授) アフリカの人びとによる運動、私たちと共通する課題、理解・連帯・協働していくこと、などを映像を交えながら一緒に考えていきたいと思います。 ●共著:『南アフリカを知るための60章』 明石書店 2010/「動く→動かす」編『ミレニアム開発目標 世界から貧しさをなくす8つの方法』合同出版(合同ブックレット2)2012 ※「12. デモクラシーを求め、反乱する都市」クラスと合同 |
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◆10/3(木) ★アフリカ発ファッションブランドの可能性 ―andu ametの取り組み ■鮫島弘子(andu amet 代表取締役) 世界最貧国といわれるエチオピアですが、実は世界最高峰の羊皮の産地でもあります。 andu ametはそんな現地の素材を活かし、エシカル(*)かつリュクスなレザー製品 を作り、日本で販売しています。 当講座では、弊社の事業を一例として、皆様と一緒に、ビジネスのサイドからみたア フリカの可能性について 考えていきたいと思います。 (エシカル=社会や環境に配慮された) |
◆11/21(木) ★アフリカの人びととつながるために ―貧困と自立のために、私たちは何を「すべき」でないか ■舩田 クラーセン さやか(東京外国語大学大学院地域文化研究科 准教授) 私たちとアフリカの人びととのかかわり、連帯を阻むものとは何か。私たちの意識や行動に内面化された「豊かさ」「貧しさ」、「援助する側」「される側」という規範を取り除き、ともに考える回路を見出そう。 ※事例として、現在モザンビーク北部農村部で日本とブラジル政府が進めるプロサバンナ事業を検討対象とします。事前にブログ(http://afriqclass.exblog.jp/i38)で資料を読んでおいてください。 ●主著:『アフリカ学入門 ポップカルチャーから政治経済まで』明石書店 2010 『モザンビーク解放闘争史 「統一」と「分裂」の起源を求めて』御茶の水書房 2007 |
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